餃子と書いて宇宙と読む。
こう表現するしかないくらい、深き世界でした。
パラダイス山元さんの事は勿論、本やらなんやらで蔓餃苑のことは知っていたし、
どっかしらで行ってみたいなと思いつつも、完全招待制。狭き門というか、
お呼ばれしない限りは行けない場所なので、あぁこの世にはこういう所もあるんだね位でいたのですが、持つべきものはなんとやら。
「え?意外!行ったことなかったんすか?」
と、お誘い頂き、某所にある蔓餃苑へ。
そもそも住所など全て非公開です。正直、どこ?レベルで迷い子になり、自分が最年少の参加者にも関わらず、そこそこに遅刻し、まぁ申し訳ないやら恥ずかしいやらで、

駆けつけドンペリを注がれました。はい、もうまずここでおかしい。駆けつけドンペリって・・・。
何はともあれ、淑女なし、全員紳士の会が始まるわけです。

ポーズしましょうか?と仕込んだ餃子を前にカメラに収まってくれた、初対面の山元さん。あーもう、さすがや。

山元さんワンオペなので、餃子につきっきり。ドリンクはゲストの我々で冷蔵庫からとっていくスタイルなのだけど、えええと、ええ酒ばっか入ってます。おぉぉ。
さて、ここからひたすらに餃子が出てくるのですが、正直、こんな餃子食べた事がないというものばかりで、とにかく美味いというか学びがすごいというか、ひれ伏すしかなく。さて、覚えてる範囲で書いていきましょうかね。流石にメモをとりながらじゃないですからね。俺の記憶力次第です。

対馬産のサザエをのいいところと、ボルディエバターで包んだ餃子。
盛りのインパクトがすごいのだが、綺麗に包み込まれる上質な旨さと軽さが襲ってきまして、のっけから高火力で攻めてまいりました。
実は最後の餃子までそうなんですが、味わいの着地点が全て、重くなく軽やかで綺麗。そして記憶に残りやすい餃子でありまして、この素敵な着地点につく餃子ってほぼほぼ見かけないなぁと思った次第です。
さて、どんどんいきます。

聳り勃つ海老の餃子。勃ってる餃子ってなかなかないよね。当然、ウシエビ自体もええもん使ってらっしゃる。カリマンタン島のやつですカリ。アボカドも入ってます。

続いて、デンマークの豚の餃子がやってきました。揚げてますね。国旗が取られた後、

山元さんの家で育てられた、でかいバジルの葉で包んで食べるという新しい発想をぶつけられましたが、これがまたすごい。このでかいバジル出ないとこうはいかないっていう位、凄みがある。

続いて、越前蟹肉だけの餃子。包む事によって、口内で蟹の旨さと香りが弾けてくるのが素敵なのと、まぁこの器ですよ。オールドなロイヤルコペンハーゲン。今じゃこんなテクスチャの器なんてないですからね、なかなかに貴重。そんなお皿がしれっと出てくるのがまた恐ろしいのよ。敷かれた切り昆布もたまらん。

山葵を作っているところで水耕栽培されたパクチーと食べる、ラムパク餃子。
左手にパクチーを持って、クミンシードが効いたラム餃子を食べてパクチーを齧る。はい、優勝。
ラムはニュージーランド産のグラスフェッドラム。グラスフェッドなのにまぁ香りが綺麗。
パクチーは、いろんな意味で最近話題の伊東市のもの。

続いて、ムール貝の餃子。味変でライムを絞るのがまたいい。北欧っぽいけど、こんなん北欧にないよなぁ。

そうこうしているうちに、えげつないものが登場。餃子じゃなくて、ギュウザ。
しれっと松阪牛A5だけの包みに、松茸。お塩で。こんなん反則です。

三河のうなぎ。うちの田舎のやつやん!!この後、うずらの卵がのりました。テクスチャ完全に西三河と東三河!

続いて、餃子が出てきたかと思いきや、小皿に盛り付けられ、

完全によきレベルの箱うにが登場。

いくらも添えられ、とんでもない一皿になりました。

水耕栽培のパクチーと同じ場所で作られた山葵をすって、ご一緒に。記憶は飛ばしたくないが精神が飛ぶ。

寒くなってきましたからねと、今期初登場という水餃子。優しさしかありません。
芝海老と香港乾燥海老の餃子。乾燥での旨みの使い方、これ真似しよう。
あとは、

いちじく&カナダ産イカのおこわ。お米系もちょっと出てくるんですね。いかめしみたい。しかしカナダ産でイカ。珍しい。

ぶどう達。
さて、ここで終わりかと思いきや、アンコール的に、

生薬ごりっごりの旨さのゼナキング餃子に、ふぐ餃子。トドメを打ち込まれました。
ゼナキングもう終売だってのに・・・。なんという事でしょう。ゼナキング餃子はいつか、ロストレシピになるんだろうか。
そんなこんなで約4時間。とにかく餃子を食べ、学び、よく飲み、よく喋ったわけです。

そりゃあ俺もこんな締まりのない顔になるよな。まったくもう。あかんすぎる。
山元さん&誘ってくれた仲間&食卓を囲んでくれた紳士達にありがとうございましたご馳走様でした、という感じです。
もちろん、ちゃんとまっすぐ帰りましたよ。紳士ですから。
さて、お土産もあるのです。

山元さん記事連載中のANA翼の王国と、曼餃苑の小皿とステッカー。
はぁぁ、またご招待あれば行きたい。
この世界、1回味わえただけでも最高なのだけど、深淵なる世界、もっとのぞいてみたいなとも思ってます。






