かつて、美食な小説家、池波正太郎が足繁く通ったらしい、目黒のとんき。
とんかつの旨さもさることながら、一流の仕事を目の前で楽しむ事が出来る。
コの字カウンターに、すのこが張り巡らされた板場に、清廉な料理人たちが黙々と仕事をする。
それを、ピーナッツをかじりながら、キリンラガーを飲みつつ眺めるという贅沢。
これぞ、とんきの醍醐味というやつでしょうか。
揚がってきたのは、ロースカツに、串カツ1本のせ。
しつこくない揚がりっぷりのとんかつ、何もつけなくても美味い。
俺はね、キャベツにソースをつけて、それと一緒にカツを食べるのが好きだ。
まぁ、揚げ物はだいたいこうして食べる。お店の方がかけたソース以外は、俺は揚げ物に直接ソースをかけることはしない。べっちゃべちゃになるのがあまり好きではないからね。
なんにしても、一流のいい仕事を見ながら食べるカツは、いいもんです。