美味しいの基準は、ここで作ればいい。
そもそも、これが「ふつう」なんだけど、もう随分このレベルが「ふつうじゃなくて上等」になってしまっているから、今一度、ふつうの基準というものをちゃんと引き上げておかなければいけないんじゃない?と思わせるお店。
「私たちはとんかつ屋ではありません。とんかつを売るためにこのお店を作ったのではなく、食べ物のほんとうの意味での「ふつう」を知っていただきたくて、生産者と生産者をサポートする仲間でこのお店を開きました。」と、口上にもありまして、そうかいと、まずはとんかつ定食三種(ロース・ヒレ・バラ)をチョイス。
とんかつは、南阿佐ヶ谷の成蔵みたいな白いとんかつスタイル。
有機の野菜を使ったサラダ(というかキャベツ)と漬物と、赤だしから200円足して豚汁に変更したもの、土鍋炊きのごはん。こう聞くと基準高いけど、これが「ふつう」だよ。という話。
まず、とんかつ。脂も油も肉も、重たくない。不思議なくらい軽くて、押し付けがましくない旨味のある、いいとんかつです。こういうとんかつなら、いくらでも食べたいと思うのと、衣であるパン粉ですら旨味軽さがあっていい。是非塩で。そして、ソースなんかべったべたにつけないで食べてほしい。ちょろっとつけるだけでいいんです。これが基準だよっていう理由がわかる。
豚汁は、とにかく豚の出汁と野菜がいいから成り立つ一杯だよなぁと思うそんな淡いお味の豚汁。それこそ俺個人としては、赤味噌で作ってほしい気持ち満載なんだけど、ここは東京。しょうがない。でも定食のバランスを崩さないこの味が正解なんだと思う。
当然、米も美味いし野菜も美味いし、あぁいいよね次も行きますって素直に思えます。実際三茶在住の仲間も、もう何度も行ってるとか。俺も、次何を頼むか決めてますし。
とにかく、体にスッと入っていく、押し付けがましくない、美味しい「ふつう」のとんかつ定食がたまらないです。
生産者組合 とんかつ 幻水豚 (とんかつ / 三軒茶屋駅、西太子堂駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.8